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［アニメ・コミック］
２００７年０９月０８日（土）の起床時体重77.8キロ（＜82.4キロ：2003年４月２８日）
たぬきの思うつぼ ストラトス・フォーA 完結編
シリーズ第２期の最終２話。不思議な爽快感があります。この終わり方はとても好きです。人間に対する楽観的な信頼がある。ただし第１期から観ていないと理解できない。この第２期はスパイの話です。情報部の幹部が自分を取り戻すまでの話。彼はずっと揺れている。あっちについたりこっちについたり。それが仕事ですから仕方がない。大人の事情というやつです。しかし、彼にしかできない大切な仕事があった。そのことを彼は忘れていました。それをメテオスイーパーの主人公・美風の言葉で思い出す。そのときのシーンが印象的です。
この演出はうまい。本当にうまい。そのとき彼はドアのところに立っている。そこから部屋の中にいる人間と話している。入るでもなし出るわけでもない。これが彼の立ち位置なわけです。ひょっとすると、この立ち位置は計算されたものではなく偶然かも知れない。でもわたしくは、これはよくできていると思う。その立ち位置は、いつでも逃げられる位置です。ところが突然、背後から主人公が声をかける。ここで彼の立ち位置は、いきなり逃げ場のないものに変換される。この演出はすごい。その追い詰められた状況で、彼は忘れていた自分の仕事を思い出すことができるわけです。このシーンの後、ストーリーは急転回する。
ここへ至る伏線（ふくせん、ネタ振り）はふたつある。ひとつは未来を左右する少女の描いた絵。これを最初に正しく解釈したのが、この情報官だった。もうひとつの伏線はタバコ。タバコは映画とかの演出の常套手段。彼の場合のタバコは「けむにまく」、つまり自分の立場をあいまいにするという表現に使われています。絵の意味が分かったときに、ハッとしてタバコの灰が落ちる。普通、ヘビースモーカーはタバコの灰を落とすような下手なマネはしません。あまりに驚いたという表現になっている。うまいねぇ。ほれぼれします。その直後に、ドアに立つという演出です。ねらっているとしか思えません。シナリオの醍醐味ここにありです。ストラトスフォーシリーズはおもしろい。
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