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［アニメ・コミック］
２００７年０８月０７日（火）の起床時体重77.8キロ（＜82.4キロ：2003年４月２８日）
たぬきの思うつぼ 劇場版アニメ「時をかける少女」
「時をかける少女」を楽しく観ました。ただしkwgさんのおっしゃる通りこれではラストの意味が分からない。ラストはとても大事です。わたくしの考えでは全ての意味がそこでひっくりかえる。このラストでは何もひっくりかえりません。どうすればひっくりかえるか。そもそも「時をかける」とは時間を自由に移動できる能力。自分の未来を自分に都合良く選択できる。でも、どうしても選択できない未来があることが分かってくる。未来とは選択するものではなく体験するものだからでしょう。このことが主人公の初恋とからめて描かれているというのがこの作品です。わたくし的にはkwgさんが「別離による前進」とおっしゃったように、ラストは主人公の失恋で良いと思う。選択できると思っていた未来が選択できない。いつでも伝えられるはずの想いが伝えられない。十分ひっくりかえっています。
ただし、わたくしならその先にもうひとつのラストを作りますね。人の想いは特殊能力を使わなくても時を超えることができる。物語に登場する古い絵がそれ。わたくしなら、絵の修復が終わったとき物語の本当のラストが訪れる仕掛けにする。主人公は絵の中になにかを見つける。それは表向きは初恋の相手からのメッセージかなにかでしょう。でも裏に「時間」の意味が隠されている。そのことを主人公はこの絵を通して知るわけです。自由に未来を選択できることにさほど意味はなく、生きられた時間そのものに価値がある。生きられた時間とは記憶のことです。初恋を描いているように見せておきながら実は時間の価値を描いていたのだよ。そんなふうに最後に物語全体をひっくりかえしたい。わたくしならそうするね。
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