坂の上の田園住宅　2007.04住宅コンペ落選案　

＜　イメージコンセプト　＞

敷地のおもしろさ

なにより敷地がおもしろいです。斜面に展開する集落。迷路のような坂道の連続。いかにも映画的なロケーションと言えるでしょう。わたしはこの敷地に、洋館風の大きな屋根を提案します。坂を上がったり下がったりするとき、この大きな屋根は見えたり見えなかったりするでしょう。見えてはいるが、なかなかたどりつけない。そういうちょっと不思議な大きな屋根です。

英国式田園住宅がモデル

イメージとしては19世紀の田園住宅。そのころロンドンにC.F.A.ヴォイジーという建築家がありました。彼の作品フォスター邸が本案のモデルです。田園住宅と言えば赤レンガ系が多いですが、フォスター邸は白い壁のカントリーハウスです。

コストパフォーマンスのために

１．コンパクトな計画　最小限必要な床面積で計画しました。
２．規則的な柱位置　2.4メートルごとに門型のフレームを立て並べました。単純さはコスト上だけでなく耐震性能上も有利です。
３．テーマをひとつにしぼる　本案は大きな屋根を見せることをテーマとしました。

＜　計画データ　＞

建築面積　47.69㎡（建蔽率33.9％）
容積率算定の延べ床面積　84.96㎡（容積率60.5％）
施工床面積　92.16㎡（27.8坪）

主な外部仕上げ
屋根：アスファルトシングル、外壁：モルタルこて押さえ、窓：アルミサッシュ、庭側と玄関の庇屋根：カラー鉄板、玄関庇の法杖・台所園窓格子・物干し金物・アーチ：鍛鉄創作金物（知り合いの作家さんにお願いします）

主な内部仕上げ
自然素材をおすすめしますが予算的に工業製品も併用するのが現実的かも知れません。自然素材としては次のような素朴なものをよく使います。
床：桧フローリング無塗装、壁：和紙（月桃紙、げっとうし）、天井は台所以外は張りません。台所は工房系システムキッチンをお薦めします。　

外構について
必要なものだけに絞ります。水場とフェンス、玄関までのアプローチの舗装、テラスと玄関のタイル張り、雨水排水、浄化槽あたりが必須でしょう。

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